2009年03月05日

ボディブローを打たない


「●●商事の受付は上の階です」

これは地上10階、地下2階のビルの1階入り口の立て看板です。


さて、受付は何階にあるでしょうか。

地下ではないことはわかります。2階から10階までのどこかにあるのでしょう。

実はこのビルの3階〜10階は賃貸住居となっています。それはビルの1階ホールの案内図を見ればわかります。

だから受付は1階でもなく、住居部分でもない上の階。つまり2階ということになります。


受付が2階だとわかるまでにしなければならないことは、ビルの案内図を探して、目的の会社が入っている階数を確認することです。このように、2つの手間がかかっています。

もし「●●商事の受付は2階です」と書いてあれば、2つの手間は省けます。


立て看板を書いた人にとっては、このビルの3階から10階が住居だということはわかっていることであり、それは1階ホールの案内図を見れば、はじめて来た人でもすぐにわかることだと思えるかもしれません。

でも、ちょっと見れば(調べれば)すぐにわかることでも、その手間がかからないようにしてあげましょう。

「受付は上の階です」を「受付は2階です」に変えればいいだけのことですから。

わかりやすくするとは、相手の負担を少しでも軽くしてあげることです。


人は自分がわかっていることほど省略する傾向があります。なぜなら、自分がわかりきっていることを繰り返すのは面倒だと思うからです。

面倒がらずに、具体的に書くことで相手の負担を少しでも軽くするよう努めましょう。

もしかしたら、少しぐらい負担を軽くしてあげてもたいした効果はないんじゃないかと思うかもしれません。しかし、負担をボクシングに例えれば、ボディブローをもらい続けれたならば、確実にダメージは蓄積されていきます。

大切なのは、地味なボディブローをなるべく打たないことです。


また1階入り口の立て看板は、会社にやってきてくれた人に、はじめに目につくものです。はじめの一歩でつまづかせるようでは、相手に悪い印象を与えてしまいます。

受付にたどり着く前に、すでに取引先やお客様とのコミュニケーションは始まっているのです。

こういったことに気づいて配慮するかどうかは、会社に限らず個人においても、ブランディングに大きな影響を及ぼすのです。


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2009年03月01日

話しかけるように


なにかを説明するときに、渡された原稿を読みあげるだけになっていることはありませんか?


説明しなければならない項目と、その内容が書かれた原稿を受け取ったあなたは、それをみんなの前で読み上げることで説明が完了したと思っていることはありませんか。


さて、いま2回繰り返して「あなた」に話しかけるように問いかけました。

この、話しかけるように書く、というのがポイントです。

結婚披露宴のスピーチを想像してみましょう。

あらかじめ用意しておいた原稿を淡々と読み上げるだけのスピーチにあくびが出そうになったことはありませんか?(←また話しかけました)

もし、新郎新婦に話しかけるだけでなく、ときに披露宴の出席者に話しかけながらスピーチをする人がいたら、あなたはきっとあくびをすることはないでしょう。

なぜなら、もしかしたらあなたはスピーカーに話しかけられるかもしれないとちょっぴりでも思うからです。

話しかけられたときに、ちゃんと話をきいていなかったために返答に詰まるようなことになってはみっともないので、あなたはスピーカーの話に耳を傾けるでしょう。

これと似たような気持ちを読み手に抱かせる方法が、話しかけるように書く、ということなのです。

ここでひとつ注意してもらいたいのは、読み手に問いかけすぎないようにする、ということ。

話しかけるように書くというのは、問いかけることと同じではありません。問いかけは、話しかけるように書く方法のひとつにすぎません。

ずっと問いかけられるような文章は読み手を疲れさせてしまいます。

問いかけは、メリハリをつける程度に使いましょう。

肝心なのは、あたかも読み手に話しかけるように書くということです。


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