2014年12月06日

「キラキラ感」の出し方


そもそも、どうしたいのか?


そんな疑問を持たれたならば、そのモノ・サービスがより良く伝わるにはまだ先のことかもしれません。


どんなに良いモノやサービスでも、それらを用いることでどうなっていくのかがイメージできないことには、それを手に取ってみよう・利用してみようとは思いにくいもの。


つまり、伝わりにくさの原因となってしまうのです。


さて女性アイドルグループ「アイドリング!!!」の冠番組で、そのものズバリの「アイドリング!!!」という名前の番組のある企画で「緊急企画!朝日さんがロングで行くか ショートにするか悩んでいる!」があります。


朝日さんというのはアイドリングメンバーで2期生の朝日奈央さんのことであり、彼女が自分の髪形の悩みを他のアイドリングメンバーに相談にのってもらうというもの。


いろいろな感想や意見が出た後に番組MCのバカリズムはこう尋ねます。


「朝日さんはどうしたいの?タレントとして」


さらに「アイドルとかってゴロゴロ髪の毛(髪型や色)変えるじゃないですか」というような話を続け、バカリズムは次のように言います。


「自分がプライベートでしたい髪形をごっそり仕事にもってきている感覚が俺には理解できない」


「ひとりのタレントとしての目的が変わってそれが固まってからそれで髪形を変えたいとかならわかるけど……」


「朝日さんがどうなっていきたいかが大前提としてないことには……」


この意見に頷いた朝日さんは「最初に升野さんに相談すればよかったぁ」と、もらしていましたね。


ちなみに「升野さん」というのはバカリズムのこと。かつての相方がバカリズムを脱退した後もひとりでバカリズムの活動を続けていることから「バカリズム升野」ではなく「バカリズム」として数々のバラエティ番組などに出演しています。つまり現状では「バカリズム=升野英知」となります。


このような背景からわかるように、相方と一緒にバカリズムとして活動してきたその歴史を引き継いで「バカリズム」として知られたその名前を大事にしてきた升野さんが、ファンにとってのタレントイメージを大切にするその姿勢は折り紙付きというわけです。


そんなバカリズムからすれば、あたかも個人的な好みによって髪形(容姿)を変えるアイドルの行動が理解できないというのは、なるほどと思いますね。


もちろん、ひとりのアイドルである朝日奈央さんがロングにするかショートにするかという悩みが番組の企画として成立しているわけですから、それは朝日奈央というタレントの魅力とパワーの証であり、とてもスゴいことなのは間違いありません。


朝日さんのリアクションのおもしろさとピンポイントでこまめにツッコむその姿勢と技術はアイドルとしてまさにズバ抜けており、その点はバカリズムも大きく評価しているようです。だからこそ番組の企画として採用されているわけです。


ただ一般的に彼女が芸能界で売れっ子かというとなかなか難しいところなのですが、タレントとしての朝日奈央さんはスゴい逸材であり、バカリズムも朝日さんと番組でからむときはほんとうに楽しそうでイキイキしていますね。


さて、ここで「伝わりやすさ」について他のアイドルグループの例もみてみましょう。


乃木坂46の10thシングル「何度目の青空か?」でセンターを務める生田絵梨花さんは、この曲の直前まで芸能活動を一時休業していました。


生田さんは復帰してすぐの新曲のセンターを担当することになったというわけです。


なぜ彼女がそんな大役を担うことになったのかについては、そもそも音楽的才能がズバ抜けており、ピアノ演奏や歌唱力は乃木坂46随一ともいわれていいるほかにも、とある「姿勢」にもヒントがありそうです。


それは生田さんが復帰した際に彼女自身が語った内容に表れていますね。


生田さんは芸能活動復帰にあたって、一時休養中に伸びていた髪の毛をバッサリ切って、以前の髪形に戻してきたと語っていました。


タレントとしてどうしたいのか。どうなりたいのか?


そんな目標や方向性を持ちつつも、今はアイドルグループのメンバーのひとりとして築き上げてきたイメージを保持する。その姿勢にプロ意識を感じるファンも多いことでしょう。


女性アイドルは若い女の子がほとんどなので、おしゃれを楽しみたい気持ちがあって当然。新しい髪形もメイクも、それをファンが喜んでくれることだってあります。それでも「タレントとしてのイメージ」を考えるならばあまり大きな変化は控えるのも当然でしょう。


他のタレントでも考えてみましょう。


乃木坂46の「顔」といえば……AKB48選抜メンバーでもある生駒里奈。


昔のモーニング娘。の「顔」といえば……「なっち」こと安倍なつみ。


どちらのタレントも、視聴者やファンがパッと思い浮かべるビジュアルがあるはず。髪形ではどちらもざっくりいえばショート。


生駒さんはデビュー以来ずっとショートですね。それは男装モデルAKIRAさんへの憧れからというのが大きな理由だそうですが、それも「どうなりたいのか?」というのがはっきりしているから自身の見え方にも配慮しているといえます。


安倍さんもモーニング娘。時代にその髪形を大きく変えたことはなかったように思います。


アイドリングの朝日奈央さんだって、アイドリング!!!加入から長い間はずっとショートで貫き通してきました。アイドル活動と並行してモデルとした活動していた期間もそうです。アイドリングメンバーたちもそのファンたちも「当時の朝日さんはショートが似合いすぎてめっちゃ可愛かった」と口を揃えて言うほど輝いていた。その印象が非常に強かった。


その後、髪を伸ばした朝日さんがいけなかったわけではありません。伸ばしたおかげで「朝日さんはどうして髪を伸ばしているの?」などとずいぶんおいしくイジってもらえたり、ついにはショートにするかロングにするかという番組企画さえ成立させてしまったりしたのですから。


さらにその企画の番組中に現役アイドルが「生(ナマ)の断髪式」をするという偉業さえ成し遂げています。


朝日さんが髪を伸ばしたこと自体は、結果的にタレントとして「おいしく」になった。これは良い例ではありますが、この過程でバカリズムが語った「タレントとしてどうしたいのか?」という言葉は大事ですね。


ちなみに元アイドリングの菊地亜美さんが仕事に関する真面目な話をバカリズムとどの程度したことがあるのかはっきりとはわかりませんが、番組「アイドリング!!!」以外の様々なバラエティ番組で活躍するお笑い芸人と元アイドルがくしくも基本的に変わらないビジュアルを貫きとおしていますね。


バカリズムはおかっぱ頭で童顔風。


菊地亜美さんは芸能活動ではいつもカラコン装着で同じような雰囲気のメイク。


菊地さんはかつて頭に小さい帽子を載せてアクセントをけるなどの工夫もしていましたが、それだけインパクトやイメージに気を配っていたということがうかがえますね。


偶然にもこのふたりはお笑い芸人とアイドルという違いはあれどバラエティタレントとしてどんどん売れていき、菊地さんはもっともテレビに出演する若手女性タレントの上位にラインクインし続けていますし、バカリズムは各局のスペシャル番組などでもMCを務めるようにもなってきていますね。


誰だって一生懸命に頑張っている。それでも大きな結果につなげられるのはひと握り。いやひと摘み。その「ひと」に入るタレントには共通点が見受けられるのもまた確かです。


さてここで他の番組「有吉AKB共和国」の「噂の真相の真相」というコーナーでの、あるAKB48メンバーの例もみてみましょう。


AKB48チームKのキャプテンを務める横山由依がイマイチブレイクしきれない理由を知っているという高橋朱里さんは「アイドルとしてのキラキラ感が足りない」と言い「足りなかったらおもしろさでいこうとかいろいろあるはずなのに、横山さんははっきりしない」というように分析しました。


その具体例として挙げたのが2つ。


ある収録で暴露話を披露したときのこと。「横山さんですごくウインクが下手なんですよ。ウインクするとすごくおもしくなっちゃうんですよ」という話をしてパスを出したら、下手なかんじのウインクをしてくれればいいのに「横山さんは(本気の)めっちゃかわいいウインクした」といいます。


さらに「横山さんの部屋は汚い」という話になったとき、「今はきれいです!」ときっぱりと全力で自分をフォローした応え方をするなど、せっかくおもしろくなるよう話をふっても違うリアクションをすることについて、次のようにも付け加えました。


「キラキラしているとは進路がはっきりしているということ。小嶋陽菜はモデル。柏木由紀はアイドル。それなのに横山さんはブレブレ」だという意味のことを語りました。


このように、ここでは高橋朱里さんは「進路」というワードを使っていますが、これはつまり、バカリズムが朝日さんに尋ねた「どうしたいのか?」と共通していますね。


アイドルなどのタレントに限らずモノやサービスでもこれは同じ。


もっと広くたくさんの人に知ってもらいたいから。売れたいから。魅力を伝えたくていろいろ変えてみる。


変えてみて悩み頑張ったそれは「自分がそうしたいから」なのか。それとも「必要だから」なのか。


ここがブレているうちは、その魅力を伝わりにくくなってしまっているのかもしれません。


そもそも、どうしたいのか?


これがはっきりしているタレントもモノもサービスも、結果的に残っていく。そして一定の層に受け入れられていく。


いわゆるブランドイメージを一枚の写真に収めると、はたしてなにが写るでしょうか。もし何も写らないならば、それだけインパクトが弱いということ。


成功しているブランドの多くは、たいてい「一言」で表すことができます。


BMWは「スポーティ」。Audiは「安全」といったように。


伝わりにくさの原因を探るとき「そもそも、どうしたいのか?」と考えみるのはひとつの方法なのです。


ちなみに、高橋朱里さんはAKB48の12期生。9期生の横山由依さんよりも後輩。この番組収録に同席した、有吉AKB共和国の「顔」である1期生の小嶋陽菜さんよりも、もちろんはるかに後輩です。


そんな環境でも「進路」というワードではっきりと「そもそも、どうしたいのか?」と先輩にもガツンと言える高橋朱里さんは、いわば「嫌われ(てもおかしくない)キャラ」と紙一重の道をどんどん進んでいく覚悟があって、その姿勢をしっかりと示しているわけです。


同じグループ内でこうした「斬り込み」ができる後輩メンバーがいるのはアイグループとしての大きな力にもなりますし、もしろん個人のタレントとしてもキャラが立つので売れるチャンスはいくらでもつくれるというわけです。


売れるものは何か。つまり魅力を知ってもらえるものはなにか。


結果からみれば「そもそも、どうしたいのか?」が明確であり、ブレずに突進むからこそそうなる・そうなったのだ、と言えるのです。


高橋朱里さん。生田絵梨花さん。菊地亜美さん。彼女らにはその「覚悟」があるからそれぞれの活動に「姿勢」となって表れ、種類は違えどそれぞれ彼女たちなりの「キラキラ感」となっている。


キラキラ感があるものは、はっきりしていて伝わりやすい。逆をいえば、はっきりしていて伝わりやすいからキラキラ感がある。


「キラキラ感」は、他の言い方では「ホンモノ」ともいいます。


「アイツは持ってる。ホンモノだ」というそこには、間違いなくキラキラ感があるはずです。


わかりやすいほうが結果が出やすい。


それは野球好きの人にとっては「イチロー」をみてもその名前のとおり明らかでしょう。


同じように頑張っているはずなのになぜアイツばかり? そんなふうに思ってしまったとしても仕方ありません。それでもどこをどう頑張るのかについて気を遣えば、誰にだってキラキラ感が出る可能性は大いにある。


努力だけではどうにもならない。続けるだけはどうにもならない。それは一理ある。だからこそ「伝わりやすさ」をちょっと意識するだけで振る舞い方が変わる。


そんな変化がやがて、キラキラ感となるのです。


▼アイドリング!!! 「ユキウサギ」
 この通常盤のセンター位置にいるのが朝日奈央さん。
ユキウサギ (通常盤)
ユキウサギ (通常盤)アイドリング!!!

ポニーキャニオン 2014-12-23
売り上げランキング : 3688


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



▼乃木坂46の「何度目の青空か?」
 ピアノ弾いてるのがセンターの生田絵梨花さん。
何度目の青空か?(DVD付A)
何度目の青空か?(DVD付A)乃木坂46

SMR 2014-10-07
売り上げランキング : 359


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



▼AKB48の「希望的リフレイン」
 いちばん下の列の左から2番目が横山由依さん。高橋朱里さんもこの曲の選抜メンバー。
希望的リフレイン Type D 通常盤(多売特典なし)
希望的リフレイン Type D 通常盤(多売特典なし)AKB48

キングレコード 2014-11-25
売り上げランキング : 115


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


posted by タカ at 16:25 | TrackBack(0) | 明快に伝える日本語力の磨き方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月29日

「しない」意識ではなく「する」決心〜素直がいちばん〜

あるテレビ番組の企画でのこと。若い頃に人気でTVなどで活躍したある女性芸能人がカフェを営んでおり、その店を専門家が検証するというのがありました。


そのカフェの入り口は通り道からちょっと奥に入ったところにあり、店内に入るまでの導入部分(屋外)が広くなっています。


そこに植物が置いてあるのですがどれも雑然としており、仕入れなどで使う車も停まっています。


「えッ? ここはお店? 営業してるの?」


そんなふうに思ってしまう雰囲気なのですが、オーナーの女性芸能人はあえてナチュラルな雰囲気を演出しているということでそれがオシャレだと言います。


カフェの専門家はまず、自動車を店の前に駐車しないのが一番だが、どうしてもそこしかないならば、カフェのイメージにあったペイントをするなど、世界観を演出したほうがいいとアドバイス。


さらに、そもそもパッと見てお店かどうかわかりにくいのはNGで、ウェルカムという明確な意思を発する必要があると助言しました。


具体的には、地面にカフェの入り口へと続く絨毯のような色を付けて導線を確保するなどの案を提示。店まで迷わずエスコートする仕掛けが必要だというわけです。


さらに店内もオーナーこだわりのインテリアということなのですが、カウンター席に座った女性のお尻が、テーブル席に座ったお客さんの目線の高さと合ってしまいます。


これは店内の床の高低差のためにそうなってしまうのですが、そういった他の客からの視線に女性は敏感ですから、ここは視線を遮るボードと設置するなどしてカウンター席に安心して座れる工夫が要るとのこと。


これらアドバイスは、お客の立場を想定してのプロならではのものですね。


自分がはじめたカフェ。自分が企画したイベント・商品。そういったものには当然ながら思い入れがあります。「お客さんのために」を優先したつもりでも、自分の思いは、いつしか「想い」にもなっていることがあります。


そんな気持ちはあってもいいものですが、いざ外に出す(開店・発売)するとなったら、余計な部分はそぎ落とさなければなりません。それができなければ趣味ということにもなりかねない。


まずは余計なコダワリや思い入れをそぎ落とし、試行錯誤して続けていくうちに徐々に浮かび上がってくるスタイル。


それを他人が認めてはじめて「その店(主人)のセンスがいいネ」と評価されるようになる。


はじめから「ほれほれ、俺(私)のコダワリをじっくり味わいやがれ」とばかりに押し付けられても、客は引いてしまうばかりです。


「そんなことは自分はしない」と思っているぐらいでは、きっとしてしまいます。


「しない」という思いは、文字通り「しない」つもりなだけなので、熟成された「コダワリという名の想い」はつい出てしまうもの。


だから「しない」のではなく、「する」必要があるのです。何をするのか。


もちろん「余計なコダワリをそぎ落とす」のです。「する」意識と実行が必要なのです。


伝える作業では個人的なものを優先するのではなく、余計なコダワリをそぎ落とすのです。


――素直さ。


妙なコダワリを捨てて素直にやりさえすれば、たいていのもの・ことはスムーズにいきます。


うまくいかない。伝わらない。そんなときは素直になれていないのです。


勉強・学習でもそうです。自己流でやっているうちは効率がわるい。自己流の勉強で高校受験に成功したからといって大学受験もそれでうまくいかといと、それはまた別の話。


対象が違えば、世界が違えば、それに合ったやり方があります。それがいきなりできる人はそうはいません。


自己流を捨て、余計なコダワリを排除し、まずは素直に習ったとおりにやる。


それが上達のいちばんの近道です。



★「しない」意識ではなく、余計なコダワリをそぎ落とす決心と実行が必要


★素直こそ上達の近道

posted by タカ at 23:25 | TrackBack(0) | 明快に伝える日本語力の磨き方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。