<例文>
・電話使用の場合
「連絡できない人がいる」
<解説>
例文は複数の解釈ができます。
(1)AさんはBさんと連絡がとれない状況
AさんがBさんに電話をかけて明日の待ち合わせ場所を知らせようとします。
ところがBさんの携帯電話は圏外です。固定電話にかけても現在使用さておりません、とのこと。
(2)携帯電話を持っておらず、そもそも電話機というものの使い方を知らないCさんがいる場合
実際には、日本ではCさんのような人はめったにいないように思えるかもしれませんが、小さな子どもならじゅうぶんにありえます。
もしも(1)の意味を伝えたいならば「連絡できない」ではなく、以下のようにしてみましょう。
<リライト例>
「電話しても連絡がとれない人がいる」
「電話しても」の頭には「私が」が省略されていることはすぐにわかります。「私が電話しても(相手は)電話に出ない→連絡がとれない」という流れがイメージできるでしょう。
「できる」「できない」を使うと、その言葉どおり「電話できる・できない」といったように、その行為をする能力がないと受け止められかねません。
100メートルを9秒以内で走ることができる人は限られますが、電話することができない人は少ないようで、それが小さな子どもを指すとしたら数としては多いでしょう。
今回の例文のように電話を前提しているならば「連絡」と相性のいい言葉を使えばわかりやすくなります。
連絡 + できる・できない → ×もしくは△
連絡 + とる・する → ○
そして、たとえ自分にとってはわかりきっている事柄(電話)であっても「電話しても」と付け加えることで、格段にわかりやすくなるのです。