2010年03月01日

漫画と物語で「魅せた」話題の本

日本人の知らない日本語2
日本人の知らない日本語2
おすすめ平均
stars楽しい+知的
stars日本語学習者の熱意、素朴な疑問、笑いと日本語のマメ知識
stars待った甲斐がありました
stars日本人の知らない日本語2
starsめっちゃおもしろい、でも、ためになる。

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ついに出ましたね。

漫画で日本語が学べる、ありそうでなかった日本語再発見本の第2弾。

『日本人の知らない日本語2』。

漫画を読むように寝転がって読んでも勉強になる。

前作よりも多少内容が濃くなったようです。

『日本人の知らない日本語』シリーズは、ありそうで、あってしかるべきなのになかった本です。

日本語に関するネタは探しても探さなくても、日本語アンテナみたいなものをたてておくといくらでも収集できます。

だから重要なのは日本語のネタをどうみせるかなのです。

「見せる」よりも「魅せる」んです。

この点を『日本人の知らない日本語』シリーズはとても意識しているように思います。

日本語や国語や文章の「先生」と呼ばれる偉い方々は、伝える内容はたいへんすばらしく有用でも、その伝え方にはあまり気を使わない方もいらっしゃるようです。

すばらしい話や内容だったら自然と人が聞きに集まってくるだろうというのは願望であって、現実的だとはいえません。

どんなにすばらしい話や内容でも、知らされなければ存在しないも同じと考えていいでしょう。

徳川埋蔵金はよい例です。日光東照宮に隠されているという都市伝説が有名ですが、未だ見つかっていません。

見つからなければ徳川埋蔵金が存在するとはいえないわけです。

存在するはずだ。存在するといいな。どこにあるのかな。そんな願望とワクワク感が「徳川埋蔵金」を黄金のキーワードに押し上げました。

ちなみにストーリー分析の用語に「マグフィン(Maguffin)」があります。マグフィンとは、悪者が欲しがっていてヒーローが持っているものを指します。

マグフィンはなんでもいいんです。それが実体のない概念だけのものでもかまいません。とにかく悪者キャラが欲しがるものであればなんでもいいのです。

実際にある映画作品ではマグフィンが何なのかは最後まで観客に知らされないなんてことはよくあります。

実体が無くてもみんなが興味を持って欲しがるようなものがあると観客に意識させれば、ストーリー作りにはなにかと便利なのです。

ストーリー作りだけでなく、人間にも商品にもマグフィンは有効です。箔を付けたり、ブランド化させたりすることも可能だからです。

少し話しがそれましたが、実体がないものでも使いようによっては役に立つのですから、実体や内容があるすばらしいものがせっかくあるのならば、それを伝えることに力を入れなければなりません。

知らさなければ存在しないも同じ。

そう考えると、日本語に関するネタをどのように伝えるかをよく考えたであろう『日本人の知らない日本語』シリーズは、数ある日本語本のなかでもきわめて珍しい本だといえるでしょう。

つまり、ありそうで、あってしかるべきなのになかった本なのです。


ここで「どう知らせるか」「どう魅せるか」について、比較するとわかりやすい本があるのでご紹介しましょう。

あくまで、本のタイトル・表紙・内容説明・内容紹介文に限って比較します。


日本語を「外」から見る / 留学生たちと解く日本語の謎 (小学館101新書)
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小学館 2010-02-01
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この本の内容説明と内容は以下のようになっています。


----ここから----
内容説明
恋あり友情ありのユニークな日本語教室。

内容
ここ「湘南国際村」では、日本語教師の著者とボランティアが協力して、世界各国からの留学生たちに日本語と日本文化を教えている。そこで留学生たちが直面する、日本語の「難しさ」と「おもしろさ」。日本語を学ぶ外国人たちにとって、日本語は矛盾と謎に満ちている。言われてみて初めて気付く日本語の謎を、ロマンスや友情のエピソードを交えて綴り、外国語として見た日本語の特質をわかりやすく伝える、エッセイ風のユニークな日本語・日本文化論。
----ここまで----



こうしてみると、『日本人の知らない日本語』シリーズと内容は似ているようにおもえます。
(注:本のタイトル・表紙・内容説明・内容紹介文に限っての比較です)

おそらく、ネタの着眼点はほぼ同じでしょう。

では、両作品(本)のタイトルと表紙を見比べてみましょう。

『日本語を「外」から見る』は、タイトルが真面目で表紙はとてもシンプルです。

『日本人の知らない日本語2』は、タイトルが衝撃的で表紙はやわらかく面白みがあります。

もちろんどちらも良いのですが、ユニークでおもしろく物語の力を借りて伝えようとするならば、ネタの伝え方と魅せ方が合致したほうが有利でしょう。

『日本人の知らない日本語』の発行部数はシリーズ累計で85万部を突破しているようです。

私が行った小さめの書店では、入り口正面の平台に『日本人の知らない日本語2』は売り切れで入荷日未定を知らせる張り紙がありました。

さすがに大きな書店に行ったら置いてありましたが、人気の秘密は『日本人の知らない日本語』シリーズが「伝え方」を工夫することの重要性を書籍自体で物語っていることにあるといえます。

西欧の宗教改革は活版印刷術の発明が後押ししましたが、ほとんど字が読めない大衆にどうやってメッセージを伝えたのでしょうか。答えは「木版画パンフレット」です。絵で注意を集めて、短い文で伝えたのです。

文と一緒に絵や図を使うと伝わりやすくなるのはわかっているのですから、それをきちんとやって、さらに物語の力も使う。

伝えるべきテーマや内容を、親しみのある漫画を用い、登場人物のキャラと物語の力で楽しませながら伝える。

そんなことが形になったという意味でも『日本人の知らない日本語』シリーズは内容だけでなくその売り方も含めてたいへん勉強になる本です。

漫画を読むように寝転がって読むなら『日本人の知らない日本語2』。

文庫本を読むように椅子に座って読むなら『日本語を「外」から見る』

どちらも、あなたのスタイルに合わせて読むとよいでしょう。


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