2009年08月25日

言葉にまつわるちょっと「おそろしい話」

<例文>

「2大ルーキー必見!」



<解説>

ある競技大会に、活躍が期待される二人の新人が登場しました。


競技大会の主催者は、二人の大型新人をもっと知ってもらいたいと願い、「2大ルーキー必見!」と書いた大きな旗を作りました。


実はこの旗、目的と内容がちぐはぐとなっています。


目的は「二人の大型新人を広く知らせ、注目してもらう」というもの。


内容は「活躍が大いに期待される二人の新人が現れた」というもの。


文字数を極限まで制限した旗の場合「2大ルーキー」だけでも内容は伝わります。


しかし「2大ルーキー必見!」では、目的がズレてしまっています。


例えば「○○必見!」とした場合「○○」には何が入るでしょうか。


例としては「奥様必見!」「学生必見!」「女性必見!」といったように、注目してもらいたい対象が「○○」の部分に入ります。


すると「2大ルーキー必見!」では、注目してもらいたい対象が「2大ルーキー」だと受け止めるられる可能性があります。


この旗はたった二人に注目してもらいたいがためのものでしょうか。


いいえ。目的は「二人の大型新人を広く知らせる。たくさんの人々知らせ、注目してもらう」ことですよね。


ですから以下のようにリライトします。


<リライト例>

「必見!2大ルーキー」


「2大ルーキー」と「必見!」の位置を入れ替えただけです。


みんな見て! この二人の大型新人を! というわかりやすい流れになりましたね。


「見て」と言われたら、当然のように「何を?」と聞き返しませんか?


当然のように浮かぶ疑問に自然に答えるカタチにする。それだけです。


なんだそれだけか。と思った人もいるでしょう。


でも、たったこれだけのことに「気づけるか」が大事なのです。


たったこれだけのことに「配慮できるか」が大事なのです。


わずか9文字だからこそ、書き手のすべてがそこに表れます。


短い文こそ、おそろしい。


以上、夏の怪談にちなんだ、文においてもっともおそろしい話でした。


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