2009年08月13日

ゾンビに学ぶ「わかりやすく伝える技術」

学校の授業を例に、わかりやすく伝える方法について考えてみましょう。


社会・歴史の授業で60年代のアメリカ合衆国のヒッピー・ムーブメントを取り上げるとしましょう。


もしもあなたが教師なら、どのような授業を行いますか?


たいていは教科書の記述に従って授業を進めるでしょう。


しかし、もしもわかりやすく楽しく伝えたいなら、ちょっと工夫してみることも必要です。


社会・歴史の授業のはじめに、教師が黒板に「ゾンビは花火が好き」と書きます。


するとおそらく、あくび途中の生徒や、他の科目の自習の内職をしようとしていた生徒が、ふと教卓に注目するでしょう。


いきなりゾンビと花火って、いったいどういうことなんだろう? と生徒たちに疑問と興味を抱かせるのです。


みなさんも経験あるとおもいますが、学校の授業はたいていつまらないと感じるものです。


たまに教師の雑談はあっても、すぐに「雑談はこれぐらいにして、では教科書の○○ページを開いて」というようになるのが普通です。


そんななか、授業のはじめに「ゾンビは花火が好き」と書かれた黒板を見たときの生徒たちの顔を想像してみましょう。


退屈な授業だとばかりおもっていた生徒たちの目がキラキラ輝き出すことでしょう。


マイナスからプラスへ一気にメーターが振り変えることで、生徒たちの授業への集中力が一気に高まります。


一般的に教師や先生という仕事を長くしていると、特に意識しない限り、聞いてもらうための工夫が施された授業がなおざり(真剣でないこと。いいかげんにして、放っておくこと)になることがあります。


なぜなら「先生・教師と生徒」という関係はめったに変化することがないからです。


理想は教師は生徒に教えられ、生徒は教師に教えられ、お互いに学び合って成長していくことです。しかし現実は教師から生徒への一方的な教授というのがほとんどだからです。


聞いてもらうための工夫を特にしなくても、毎日の授業に生徒たちが教室に集まり、着席してくれる。


こうした状況に慣れてしまうと、興味を持ってもらうためにはどうするか? と考えることが疎かになってしまいがちになります。


だから、たまに雑談を挟んでちょっとでも生徒たちに興味を持ってもらえるよう工夫する先生はすぐに人気が出るのです。


では、具体的にどのような授業をするかの例を提示しましょう。



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アメリカ社会と世界の中のアメリカを映し出す社会派風刺作家として有名な監督に、ジョージ・A・ロメロという人がいます。


彼の監督作品に「ランド・オブ・ザ・デッド(Land of the Dead) 」 (アメリカ/2005年/93分)があります。


この作品には、学習し、進化するゾンビが登場します。


(キミたちもゾンビに負けてられないぞ。しっかり学習するように〈笑〉)


ゾンビは、普段は生きているときの習慣に従って同じ動作を繰り返しています。


草刈機を使うゾンビ。


楽器を演奏するゾンビ。


ガソリンスタンドで給油する仕草をするゾンビ。


しかし、ひとたび生者をみつけると、生肉を食らうために襲いかかります。


ところがどのゾンビも花火には見とれます。


夜空に花火が上がっている間はすべての動作をやめてぼぉ〜と空を眺めるのです。


大きな音と光。


きれいな模様で人々の目をひきつける花火は、生きているときと同様にゾンビの目をもひきつけます。


そんななか、1 体のゾンビだけは花火に見とれることなく目の前の状況を見極めようとします。


花火という「まやかし」の術にひっかかることなく、物事をしっかりと見極めようとするのです。


危険を仲間に知らせもするこの一風変わったガソリンスタンドの店員であったであろうゾンビ=ビッグダディは、道具や武器を使うことを覚え、ゾンビには未知の世界だった水にも飛び込んでみせるのです。



さて、なぜゾンビ映画に花火が使われ、ゾンビたちがそれに見とれるのでしょうか。


その答えのヒントはヒッピーにあります。


米国の67 年は「サマー・オブ・ラブ」と呼ばれ、ヒッピー・ムーブメントがピークに達した年です。


翌68 年の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』は、ゾンビ映画の礎とされる作品であり、監督はジョージ・A・ロメロ。



この作品では当時のヒッピー文化に対する年配者たちの反応を風刺的に描いています。


ヒッピーに対する当時の一般的な観方とは、既成の社会体制や価値観を否定して脱社会的行動をとる若者たち、といったところです。


68 年の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』は、国外の脅威ではなく、自国内の若者=ヒッピーという得体の知れない不気味な存在がいつの間にかジワジワと自分のテリトリーを侵蝕していくかのような不安感を見事に映像化したものといえます。


人間=年配者


ヒッピー=ゾンビ


こういった基本構図が、学習するゾンビ=ビッグダディが登場する「ランド・オブ・ザ・デッド」においては変化しています。


つまり、ゾンビ=ヒッピーであると同時に、ゾンビを倒す側の傭兵ライリー(主人公)も自分を信じ、自分の生き方を肯定し、自由と隣人を愛して、自らの道を探す〈ヒッピー〉なのです。


そして、ゾンビたちが花火に見とれている間に傭兵グループが食糧や物資を運び出すシーンは、ヒッピーが平和と愛の象徴として花で身を飾ったことからフラワー・チルドレンと呼ばれていたことによるものだと推測できます。


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このようにして社会・歴史の授業で60年代のアメリカ合衆国のヒッピー・ムーブメントを紹介する方法もおもしろいのではないでしょうか。


★聞き手や読み手に興味をもってもらえるよう工夫する


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