プロダクト・プレイスメントをわかいやすく描いた映画に「トゥルーマンショー(THE TRUMAN SHOW) 」があります。
アメリカ市民であるトゥルーマンは生まれたときから24時間隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていました。
彼が住む町も住民も家族さえもすべてフィクションであり、これを24時間放映するテレビ局の収入源のひとつが、トゥルーマンの日常生活の中でさりげなく(ともいえないかも)紹介される商品です。
ハリウッド映画ではプロダクト・プレイスメントを取り入れるのはよくあることです。
例えば「X-MEN2」ではマツダのRX-7。
[アイ・ロボット」では主人公が履く靴にコンバース、トンネル内でのカーチェイスで主人公が乗る車にアウディ。
特に意識して観ていなくても、お気に入りの主人公が着る服や使う道具を自分もほしくなったことはあるでしょう。
映画やテレビでよく使われるこの手法は、実はインターネットと相性がよいのです。
ネット上のコンテンツの画像やテキストをクリックすると、それに関連した商品やサービスの案内ページに飛ぶというのはよくありますね。
ネット上でのプロダクト・プレイスメントの利点は、コンテンツ内にちりばめた商品・サービス紹介へのリンクを埋め込むことで、興味を持った人にダイレクトにアプローチできる点にあります。
映画やテレビだと、作品を見終わったあとにあらためて印象に残ったアノ品物を調べて、気に入ったら買うというように、時間に空きが生じます。
しかしネットでは興味を持ったそのときすぐにリンクをクリックすることで知りたい商品・サービス情報を得ることができるのです。
では、プロダクト・プレイスメントを行う場合、映画やドラマなどの作品と、ネット上の記事形式のコンテンツと、どちらがより高い効果を期待できるでしょうか。
映画の場合はストーリーという強力な装置によって商品をより魅力的に印象深く演出することができます。
一方、ネットの記事形式の場合は興味を持った商品・サービスにすぐにアクセスできるという即効性・利便性があります。
どちらを利用するかは、商品・サービスの質や内容によって変える必要があります。
でも、どちらの利点もある程度活かしたい場合は?
その答えの参考になるのが「ストーリー性を持ったプロダクト・プレイスメント」です。
例えばネットにストーリー性のある記事コンテンツをつくり、そのなかで記事内容と連動した形で商品やサービスを紹介・提示するのです。
ポイントは、連続したストーリー性です。それはまるで連続テレビドラマのように、次回が楽しみとなるような仕掛け=ストーリー性を持たせるのです。
ネット上での商品紹介というのはもう履いて捨てるほどあります。そのため、読み手はそれが商品・サービス案内や紹介ためだけに、その場限りで作られたコンテンツかどうはすぐにわります。
プロダクト・プレイスメントはすでに「日常」となっている現在、たとえ商品・サービスの案内や紹介だとモロバレでもいいのです。
読み手にとってそれが有用で、なおかつ楽しみながら得る情報ならば、むしろ歓迎されるでしょう。
では具体的にどんな「型」が考えられるのか?
その例としては「メッセンジャーPC講座」が参考になります。
タイトルからも想像がつくとおり、メッセンジャーを使うという状況設定で行うPC関連の講座です(無料)。
これは、モバイルコンテンツのひとつで、男性社員と派遣女性がメッセンジャーを使ってやりとりするなかで、PCの技(ショートカットキー)を学べるというものです。
週2回更新。1回の分量は1000文字程度。
最大の特徴は、1回完結ではない、連続性のあるストーリーとなっている点です。
モバイルコンテンツですので、1回に多くの分量はありませんが、連続ドラマのように続けて読むと楽しい仕掛けがいろいろと施されています。
映画やドラマといった(連続性のある)ストーリーに、PC技という名の商品・サービスを盛り込む。
ネットとプロダクト・プレイスメントについて大いに参考になる事例はぜひ抑えておきましょう。
※公式モバイルサイトにて約1年3ヶ月連載していた【メッセンジャーPC講座】は、載終了しました。