【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】
〜エンタメでみるみるわかる・できる!魅力的なタイトル作成法〜
ネットでタイトルを作成する際のテクニックを、ニュースのタイトル作成の例でご紹介しましょう。
(ビジネスでもプライベートでもその大部分で使えます)
ビジネスのヒントを探している人は、商品やサービスやブランディングなどに置き換えて読んでみてくださいね。
(見出しとタイトルは違います。タイトルをつくる方法をご紹介します)
■ ゼッタイに落としてはいけない大事なワード
〜いまさら隠すのもおかしな話〜
タイトル作成では「核」となる部分を見極める。
これは耳にタコができるぐらいお話してきましたね。そうはいっても、もしもどこが外せない大事なポイントなのかがいまいち判断しにくいならば、こう考えみましょう。
その記事内容の中からもっとも多くの人々の心に響きやすいものは何だろうか? と考えてみるのです。
わかりやすいタイトル例を用いて話を続けましょう。
● タイトル例1
【横転した車内で飼い主ら温めた…忠犬を表彰】
魅力的なタイトルを作る基本のひとつに「説明はなるべく避ける」があります。ところがタイトル例1は説明ばかりのタイトルとなっていますね。
なぜ説明しないほうがいいのか。なぜなら説明はタイトル作成者の解説になりがちだからです。
説明をしたほうが伝わりやすい場合は添える程度に簡潔にさりげなくするのはOKですが、そもそも読者の多くは名も知らぬタイトル作成者の解説など望んではいません。
仮に家電製品を買ったとしましょう。箱から出してスグに使ってみたいのに、その前に超ブ厚い取扱説明書をはじめからおわりまで読まなければならないとしたら、あなたはきっとゲンナリするでしょう。
タイトル例1は、このブ厚い取扱説明書のようなものです。
とはいってもどんな犬なのかを伝えるのに、ある程度説明はしなければなりません。だからこそ、なるべく要点をつかんだ説明にすべきなのです。
それでもどんな犬か説明するのに14文字(「横転した車内で飼い主ら温めた」)使うのは、ちょっと長過ぎです。またいかにも説明といったかんじで野暮ったいですね。もう少しスマートにできないか考えてみましょう。
また「忠犬」も説明ワードです。しかも勝手に忠実だと判断していますね(さらにその判断を読者に押し付けている)。
どんな犬なのかを14文字も使って説明しているだけでなく、さらにダメ押しのように「忠犬」と表記することで、どんな犬なのかをこれまた説明してしまっています。
何をした犬なのかが読者に伝わったとして、それが忠実であったと感じてそう判断するのは、あくまで読者です。タイトル作成者の判断を読者に押しつけてはいけません。
AはBというようにみなしなさい。AはBであると判断しなさい。……そんなふうに言われたら、それが尊敬する師匠や教師ならそのとおりにするでしょうけれど、見ず知らずの人にいきなりそんなことを言われても「なに言ってんの?」と相手にもしないでしょう。
お勧めの商品やサービスを紹介しようという場合(広告)などを除き、特にニュースでは自身(タイトル作成者)の都合のいいように読者の感情を無理矢理コントロールするかのような振る舞いは避けるべきです。
こういった、勝手に判断してそれを押し付けるわかりやすいタイトル例は以下のようなものです。
【親ばかトム・クルーズ 娘のためにスケート場貸し切り】
記事を読むかぎり、そこに「親ばか」とは書いていません。ということはタイトル作成者が勝手にそう思い判断したのか、またはおもしろがってそう付け加えたのでしょう。
記事内容にもあるとおり、以前にトムと娘は一般人と同じリンクで滑っているところをパパラッチに撮影されたので、今回はゆっくり滑れるようリンクの一部を貸し切ったということかもしれません。
彼は超有名人ですから、自分たち家族のためだけというよりも、周囲の一般客のためにも自分たちが貸し切りにしたほうがいいと今回は判断したのかもしれません。
とにもかくにも、そのトムの行為を知ってどう感じるかは読者次第です。タイトル作成者が勝手に判断してそれを読者に押し付けるものではありません。
ということで、リライトするならこんな感じではどうでしょうか。
【娘スリちゃんのため トムがスケート場貸し切り】
欧米人など日本人以外の人物が話題の場合、タイトルにカタカナが増えます。またこの例では「スケート」が欠かせないワードですから「トム・クルーズ」ではなく「トム」にして、それが誰であるか補強するために「娘スリちゃん」を用います。
「トム」と「スリちゃん」のふたつで、それがトム・クルーズだとはっり伝えつつ、娘のための行為ですからスマートにその事実を伝えます。
トムが娘のためにしたこと。その事実をストレートに伝える。それを知った読者がどう感じ何を思うかを露骨にコントロールしようとしてはマズいのです。読者はそういう狙いや、おもしろくしてやろうというようなあからさまな意図には敏感です。
さて話題を犬に戻しましょう。
タイトル例1【横転した車内で飼い主ら温めた…忠犬を表彰】の「…」はなんでしょうか?「温めた」その結果が「…」で隠さなければならないことでしょうか?
そうではありませんね。この話題の場合はむしろその結果も合わせて伝えることはサービスになります。なぜなら、その結果があったからこそ表彰されたのですから、その理由を伏せておくことはありません。
まして14文字も使って「横転した車内で飼い主ら温めた」と説明しているのですから、いまさらその結果を隠すのもおかしな話です。
そもそも「表彰」されたのだから良い話だというのはすぐにわかります。飼い主らを温めたのは良いことであり、その結果も当然のように良いことだと想像できます。その良いことが読者の想像を超える、または裏切るような特殊なことなら隠す・伏せるのもアリです。
でもこの話題の場合は、読者が想像したとおりのものです。ならば、わざわざその結果を隠すのは、おもわせぶりすぎるのです。
他にも、タイトルの冒頭に配慮しましょう。「横転した車内」とありますから、それが自動車であれ電車であれ一大事であることは確かですが、この話題の重要なポイントは犬がどうやって人間を救ったかにありますから、その方法とそのときの状況がより伝わりやすいワードを冒頭に用いましょう。
以上をふまえてリライトします。
●タイトル例2(リライト例)
【氷点下で3歳児救った犬を表彰】
どんな犬なのか伝えるのに「氷点下で3歳児救った」で10文字。これ以上ないほどにズバリ大事なポイントを伝えていますね。
タイトルの冒頭は「氷点下」です。危機的環境であることがすぐにわかります。
そして人を救ったから表彰された、という理由もバッチリわかります。さらに氷点下でどうやって救ったのかという部分は、まだこの話題を知らない人にとっては謎のままにしてあります。
過酷な状況(氷点下)で人間を救ったという明るいニュースだとまずは伝えることで、その経緯はひとまずベールに包んでおく。なぜなら、今回の伝えるべき事柄は、救った犬が表彰されたことだからです。
そしていよいよ「核」となる部分を見極める話をしましょう。
この犬は人の命を救ったのだけど、そのうちのひとりは3歳児です。
ほかにも助かった人はいるけれども、多くの人々の注目が集まりやすいのは、なんといっても子どもです。氷点下で3歳児が助かった! しかも犬が救ったというのです。
ドラマでもバラエティ番組でも、子どもと動物は「オタスケマン」です。早い話が視聴率の数字を持っています。情報番組ならほかにラーメンも持っていますね。
それはさておき、助かったという明るいニュースに動物(しかも身近に思える犬)と子どもが関係しているなら、どちらもきちんと伝えなければなりません。
これについて他のニュースのタイトル例もみてみましょう。
【スマトラ沖地震で生き別れ…7年ぶり家族と再会】
生き別れて7年ぶりに家族と再会できたのが誰であっても、とても喜ばしいことですよね。では、もしもそれが少女だったら?
記事内容によると7年ぶりの家族と再会したのが少女であるのは間違いいありません。しかもこのニュースでは主役はその少女ひとりですからどんな人物であるかの情報はあったほうがいい。
タイトルに使うのに適した情報とは、このニュースの場合は「少女」です。
日本語は主語を明示しなくても文が成立しますが、タイトル作成においては「誰が何をした・どうなった」の「誰が」の部分はなるべく明示すべきです。
まして複数あるうちからではなく、たったひとりであるならなおさらにそれがどんな人物であるかをしっかり明示しましょう。少女であるなら絶対に取りこぼしてはなりません。
また、記事内容によるとスマトラ沖地震による津波によって生き別れになったそうですから「地震」ではなく「津波」の表記を選びましょう。地震があって津波が起きたことは読者が想像できるからです。
それからここでも「…」(三点リーダー)が使われていますね。これを使うとラクです。でも「…」として明記しない部分によほどの意味や雰囲気を込めてあたかも目の前に広がる光景のように読者に想像してもらったり余韻を残したりするのは至難の技です。
タイトルのリズムを整える場合に用いることもある三点リーダーですが、使うならこれ以上ないといえるほどズバリな場面でなければなりません。
このニュースでは、わざわざ三点リーダーを使って主語を省略することに意味はありませんし、むしろ省略すべきではありません。
ということで、リライトするならこんな感じではどうでしょうか。
【スマトラ島津波で生き別れの少女 7年ぶり家族と再会】
絶対に落としてはいけない「核」となる部分を見極める、とはこういうことです。
では、犬に関する話題について、もう一度ふたつのタイトル例を見比べてみましょう。
<タイトル例1>
【横転した車内で飼い主ら温めた…忠犬を表彰】
<タイトル例2(リライト例)>
【氷点下で3歳児救った犬を表彰】
タイトル例1は説明ワードが冗長で、かつ「忠犬」とすることで、どんな犬であるかの感想や判断を読者よりも先に行ってそれを押し付けてしまっています。また、肝心の表彰の理由(人間・子どもを救った)が抜け落ちています。
さらにタイトルだけですべてを伝えきろうとするあまり説明ワードが頭でかっちになり「飼い主」と「忠犬」のふたつによってワードの意味がちょっとカブり気味な重複感もかもし出しています。
ほかにも、タイトルだけで完結を目指しているのでクリックした先で読者に詳細を知ってもらうチャンスを奪ってしまってもいます。
タイトル例2は「氷点下」で過酷な状況を、そして3歳児が助かった事実を伝えると同時に、その結果として人間を救った犬が表彰されたことをスマートに伝えています。
どうして氷点下で危険な目にあうことになったのかは、クリックした先で知ればいいようになっているので、記事内容への花道もしっかり用意されていますね。見た目もスッキリしています。
さて、聖書に「いなくなった羊」という話があります。(新約聖書 ルカによる福音書15章)
あるところに羊飼いがいました。100 匹の羊を飼っていたが、そのうちの1 匹がいなくなってしまいました。
羊飼いは、けわしい岩のひとつひとつを探してみたり、暗い藪の中をランプで照らしてみたりして、いなくなった羊を探します。
やっとみつけた羊を肩にのせて、うれしくて心も軽く家に帰ると、残っていた羊と村人とで祝宴を開いて、みつかった羊のことを一緒に喜んでもらいました。というお話です。
ちなみにこの物語をベースにしたであろうと思われるのがピクサーのアニメーション映画『ファインディング・ニモ』です。
1匹だけいなくなった羊をニモに置き換えてみれば、羊飼いは親のマーリンです。羊飼い(マーリン)は1匹の羊(ニモ)を探してけわしい旅に出るのです。
たとえ1匹でも、親にとってはかけがえのない子どもです。『ファインディング・ニモ』では、いなくなった1匹の羊を、いなくなった一匹の子どもの魚に置き換えたのかもしれません。
タイトル作成においても、たった1匹であってても、1匹であるからこそ大事にそれをしっかり読者に伝えなければなりません。
タイトルのその先には読者がいます。ならば人間の気持ちを想像してみるのです。
幸いなことに、タイトルを作るアナタもきっと人間です。自分の子どもをはじめ大事な家族や友人たちを忘れないのと同じあたたかい気持ちと心をもってタイトルを作るのです。
そうすれば大事なポイントを取りこぼすようなことはありません。
ひととでいえば「愛あってこそ」です。(←言うよねぇ〜☆)
★勝手な判断を読者に押し付けない
★いつも心に愛を
▼映画『ファインディング・ニモ』作品レビュー
CGアニメーションだからこそ表現できる世界で繰り広げられる、親子愛と冒険の物語。聖書の「ヨナの物語」と「いなくなった羊の物語」が根底にある。
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