2012年05月06日

その宝箱は開けてはいけない〜チャーハンでわかる、おいしいタイトル作成法〜


【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】
 
ネットでタイトルを作成する際のテクニックを、ニュースのタイトル作成の例でご紹介しましょう。
(ビジネスでもプライベートでもその大部分で使えます)

ビジネスのヒントを探している人は、商品やサービスやブランディングなどに置き換えて読んでみてくださいね。

(見出しとタイトルは違います。タイトルをつくる方法をご紹介します)



■ その宝箱は開けてはいけない
  〜チャーハンでわかる、おいしいタイトル作成法〜


バラエティ番組で京都の中華料理屋が紹介されていました。(以下、おおまかな内容です)


「焼飯 チャーハン付き」といったようなメニューがあるというのです。


注文したところ、同じ大きさの皿に同じぐらいの量の焼飯とチャーハンがテーブルに届きました。


どっちが焼飯でどっちがチャーハン? と尋ねると、どちらも同じとのこと。


メニューを考案した店主はチャーハンに強い思い入れがあるわけではないそうですが「チャーハン2つ」と注文するよりもメニューに「焼飯チャーハン付き」とあったほうが、なんだろう? と思って食べてみたくなるでしょ、ということらしいのです。


そして以前テレビで紹介されてますます話題になってお客さんが増え、なんと2号店を出したというのです。


どこの中華料理屋だって、たいていチャーハンはありますよね。だからこそほんのちょっとメニューを工夫するだけで注目度がアップして2号店を出すほど繁盛した。


つまり、気持ちひとつと少しの技術があれば道は大きく開けるのです。


気持ちとは、お客さんに楽しんでもらいたい、知ってもらいたい、おいしく食べてもらいたいというもの。


少しの技術とは、普通のチャーハンをその店で注文したいと思わせる、ことばの力を引き出す作業です。


これについて他の例でみてみましょう。いつものようにニュースのタイトル例を用います。



● タイトル例1


【○○が帰国 報道陣の質問に答えず】


○○は芸能人の名前だと思ってください。仮にAさんとします。芸能人のAさんが帰国したが何も話さなかったというのです。


何かコメントしたならそれなりのタイトルになるはずです。だからといってコメントがゼロだからそのまま「無い」と伝えるのは、わざわざ宝箱を開けて中が空っぽなのを見せてしまうようなものです。


コメントが無いのですから、そもそも伝えられるのはAさんが帰国したという事実だけです。ならば、わざわざ空っぽだと知らせるのではなく、帰国の事実だけで勝負してみましょう。


ただし、ほんのちょっとだけ歴史(物語)をプラスします。



●タイトル例2(リライト例)

【△△騒動の○○がNYから帰国】


なぜAさんが帰国しただけでニュースになったのか。Aさんが有名人だからという他にもきっと理由があるはずです。それが△△騒動です。


なにか騒動があった。そしていよいよその騒動の中心人物であるAさんが帰国したというのです。これが歴史(物語)です。


読者はAさんが何かコメントするのではないかと期待します。そのいちばんオイシイところは、帰国してさぁどうだったのか、という部分です。仮に推理小説でいうなら真犯人がいよいよ判明する箇所です。


真犯人の名前を本のタイトルでバラしている推理小説はまずないように、もっともオイシイところ(読者が知りたいと望むところ)はクリックした先の記事内容までしっかりとっておくのです。


さて、帰国の事実に絞って伝えつつその経緯にもそっと触れたのがタイトル例2です。わざわざ空っぽですよとは伝えずに、代わりに「△△騒動」とすることで、まだその騒動を知らない読者へもニュースを伝えているのです。


つまり、新たに騒動を知る読者と、既に騒動を知っている読者の両方に向けて作られたタイトルなのです。


既に騒動を知っている読者は、タイトルをクリックした先でAさんが何もコメントしなかったことを知っても遅くはありません。なぜなら芸能に関する話題は一般の読者にとって緊急性はまずないからです。


クリックしたということはその話題に少なからず興味があるわけです。クリックした先でAさんのコメントが無かったとしても、それは「コメントが無かった」という事実をニュースとして知ることができたわけですからそれはそれでいいのです。


ですから、タイトルでわざわざ「なにも無いよ、空っぽだよ」とアピールする必要はないのです。素直に話題の経緯を先端を示して(△△騒動)帰国の事実を伝えればいいのです。


似たような他の例もみてみましょう。



●タイトル例3

【ダル渡米…無言のまま飛行機へ】  


ダルビッシュが渡米したという事実を伝えるタイトルですね。その際に彼は何もコメントしなかった。だからといってそのまま右から左に受け流すかのように文字通り「無言」とするのは、これも例えるならばとても大きくて豪華な宝箱を開けて中身が空っぽだとバラしてしまっているようなものです。


空っぽだからこそなんとかしようと試みる。その気持ちがほしいところですね。


とはいえトリッキーなことをする必要はありません。こういった空っぽの場合では、まずは素直に事実を伝えることに集中すればよいのです。



●タイトル例4(リライト例)

【ダルビッシュ渡米 23日にキャンプ参加】


素直にダルビッシュが渡米したことを伝え、さらに未来への希望と雰囲も伝えていますね。それが「23日にキャンプ参加」です。


そのキャンプに参加した先には何があるのか? それは彼のファンなら予想できますよね。


スポーツの話題は特殊です。わかる人だけがわければいいというようなタイトルであってもやむを得ない場合や、むしろそうしたほうがいい場合は多いものです。


大事なのは「何も無い(無言)」ではなく「何かある(キャンプ参加)」にフォーカスして未来への道筋を読者にイメージしてもらうこと。


もちろん「無言」であるからこそ当人の思いや気迫は伝わるというのもありますが、タイトル作成では「ないもの」よりも「あるもの」を取りあげるのが基本です。ニュースでは特に、日常ではない何かがある・あったのだからニュースになりえるのですから。


「あるもの」を素直に伝えたとしても、先にもお話したととりスポーツの話題は特殊ですから、ファンなら【ダルビッシュ渡米】と見ただけで「その際に何か語ったかもしれない」と自然に興味や期待を持ってくれます。


もっとシンプルに言えば、ダルビッシュのファンなら「ダル」の二文字を見ればほぼ間違いなくクリックします。ですからわざわざ先取りして「無言」だったとネタバレしてしまうことはないのです。


ちなみにタイトル例3【ダル渡米…無言のまま飛行機へ】には意味のダブりがあります。「渡米」と「飛行機」がそれです。


いまどき船で米国へ行くとは考えにくいですよね。渡米とくれば飛行機なわけです。


ですからどうしても「無言」を伝えたければ【ダル 無言で渡米】でスッキリしますね。


それから「のまま」も不要です。もしも「しゃべったまま飛行機へ」なら「のまま」が活きてきます(明石家さんまならありそうですネ)。でも無言のまま飛行機へ乗ったのならそれは普通です。つまり何もない部分を強調する必要はないのです。


チャーハンだって中華料理屋のメニューに載っているのはあたりまえといえばそれまでです。


だからといってそのままだったら特に何も無いわけです。「焼飯 チャーハン付き」といったようなメニューを作ったから話題になり、テレビ番組が取材に来てお客さんが増え、その店にしかないメニューとしてさらに注目されて2号店もできた。


中華料理屋の店長はことばの力を使って見事に商売を大きくしました。普通(なにもない)ところから、その店にしかない特別な人気メニューを作りだしたのです。


ニュースのタイトルを作る作業では、すでにニュースの素材や記事はあるわけです。既にあるものを更に魅力的なものとして広く伝える作業をするのであって、既に有るものを無いものにするのではありません。


例えるならば「チャーハンが売れようが売れまいがどうでもいい」と思っていると、とてもおいしいチャーハンがあるのにめったに注文されないメニューを作ってしまいます。


その話題の当事者や、その記事の読者の立場や気持ちになって「チャーハンをおいしくたべてほしい」と真剣に思えないようならば、まずは気持ちをつくる訓練からはじめなくてはなりません。


既にある、縦のものをそのまま横にして伝えがちなのが「見出し」です。


既にあるものを更に魅力的なものとして広く伝えるのが「タイトル」です。


もっと高度な技術が要るのはチャーハンを特別なメニューにする作業です。


せっかくの宝箱です。そのまま普通に置けば「中に何が入っているんだろう?」と思ってもらえるのに、わざわざ蓋を開けて中身が空っぽだとアピールする必要はありません。


宝箱を発見した読者が、開錠して中を見る楽しみをしっかりとっておきましょう。


美味しいチャーハンを食べて、おいしいタイトルをつくるヒントを学ぶ今回の【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】はここまで。


やっぱチャーハンってすごいですね!☆(←チャーハン好き)


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2012年04月30日

わかりやすく伝える人はトイレが上手


【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】
   
ネットでタイトルを作成する際のテクニックを、ニュースのタイトル作成の例でご紹介しましょう。
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■ わかりやすく伝える人はトイレが上手


わかりやすく伝える。このとき大きな障害となるのが「説明したい欲求」です。


特に男性なら「俺の話を聞け」「俺が解説・説明してやる」といった気持ちを持っていることについては少なからずうなづけることでしょう。


そういう気持ちを捨てなくてもいいですが、タイトル作成ではそれを前面に出すのは控えましょう。


なぜなら、基本として名も知らぬタイトル作成者の解説や説明など誰も求めてはいないからです。


タイトルを作成するときは、対象となる話題の魅力を最大限に引きだしてなるべく多くの人々に伝わるよう「花道」をつくる気持ちを持つとよいのです。


ではさっそく「説明したい欲求」をちょっと抑えるだけで、見違えるようにわかりやすく伝わる具体例をニュースのタイトルでご紹介しましょう。


とりあげる記事はこちら → http://bit.ly/IhaGSJ



● タイトル例1

【壁が周囲54m 中にはガラス張りの女性用トイレ】


この話題の中心となるものは何でしょうか? もちろんトイレですね。


そして「トイレ」よりも前の部分にはいろいろな説明することば付けることができます。例えば大きなトイレ、おしゃれなトイレ、混雑しているトイレなど。


さらに説明することばはいくらでも付け加えることができます。例えば「高速道路のサービスエリアにある、いつも大混雑している東側の女子トイレ」のように。


説明する側からすれば、対象(例:トイレ)の前にいろいろなことばを並べて説明するのは楽なのです。なぜならトイレのことについて話して(書いて)いることを自分はわかっているからです。


でも読者にとってみれば、いったい何の話なのかがわからないまま読まされるのはしんどいものです。


あなたのお気に入りの小説をパラパラとめくってみてください。読んでいてイライラするような箇所はおそらくまずないでしょう。


その理由は、どんな描写であれプロの物書きならば読者に負担をかけない書き方ができるからです。


例えば小説のなかで主人公が扉を開けたとしましょう。その部屋がどんな様子だったかを伝える際に、部屋の壁の色や調度品やそられの大きさや配置を詳細に描写する前に、プロならそっとひとこと添えます。例えばこのように。


「カビくさいにおいがした」

「まるでリゾートホテルの一室のようだった」

「男子小学生の部屋とは思えないほど整理整頓されていた」



部屋の詳細を描写する前にひとこと添えれば、読者は部屋のだいだいのイメージを持つことができます。


あとはそのイメージを補強していくかのように必要な部分について詳細を描写していく。これはプロならだれでも行う基本テクニックであり、素人だってちょっと気の利いた人ならだれでもやっていることです。


さてタイトル作成では、文字数が限られている場合がほとんどですからどんなワードを冒頭に置くかは重要です。


冒頭には置くワードの主な条件は以下の3つです。


(1)インパクトが大きく注目を集めやすいもの

(2)何についてなのかがすぐにわかるもの

(3)読みやすくやわらかい印象のもの


このうち(2)の「何についてなのか」は、伝える作業においては特に大事です。


では冒頭が「壁が周囲54m」なら? 何についての話なのかをこれだけでわかる人はまずいないでしょう。


続けて「中にはガラス張り」とあります。これはクイズでしょうか? クイズならもちろんこういうのもアリですが、これはニュースのタイトルです。


ニュースのなかでもこれは緊急性がある話題ではありませんので多少の遊び心があってもいいのですが、その「遊び」は読者のためのものでなくてはなりません。


「壁が周囲54m 中にはガラス張り」というクイズ形式かのようなタイトルの冒頭から中盤部分でワクワクして楽しめるならOKですが、どちらかというと「いったい何の話だ?」と首を傾げたくなるのではないでしょうか。


なんだろう? と首を傾げたくなるタイトルを作るのもテクニックのひとつではありますが、この技術を使うには最低限の「何についてなのか」を知らせた上で行わなければなりません。例えば以下のようなタイトルがそれです。


【モー娘。ゾンビ化】http://bit.ly/HT6PxG


何についてなのか → モー娘。 
それがどういうことなのか? → ゾンビ化
このような流れがシンプルに表記されているのがこれです。


「モー娘。ゾンビ化」は説明らしきものは全くされていないタイトルですがモー娘。に興味がある読者はもちろん、「ゾンビ化」のワードに惹かれてどういうことなのかを知りたいという好奇心旺盛な読者へもしっかりと花道を用意しています。


つまり魅力的なタイトル作成においては、説明はなるべく避けるのが原則です。説明は必要な箇所に適度に行うにとどめる節度が大事なのです。


では以上をふまえて、
タイトル例1【壁が周囲54m 中にはガラス張りの女性用トイレ】
をリライトしてみましょう。



●タイトル例2(リライト例)

【女性用トイレ 全面ガラス張り】http://bit.ly/IhaGSJ


まず、何についてなのかを冒頭でズバリ示します。つぎのそれがなぜニュース(話題)なのかを、なるべくインパクトを大きく伝えます。それが「全面ガラス張り」です。


この話題ではほかに、世界一大きなトイレというアピールポイントがありますからそれを使うのも方法ですが、ここではあえて読者の身近な箇所に集中します。


「世界一大きなトイレ」よりも「全面ガラス張りのトイレ」のほうが、使う側からすれば、えぇ! と驚くことでしょう。


世界一大きいといった場合、トイレの数が多いのか。または広くて大きいのか。それとも便器がとてつもなく大きいのか。などといろいろとあいまいです。そのあいまいさが魅力になりますが、なんといっても一番強力なのは、身近な事柄です。


全面ガラス張りのトイレで用を足さなければならないとしたら?


ちょっと困りますよねぇ。(ちょっとだけ?笑)


それはさておき、トイレが全面ガラス張りだというのですから、それはいったいどういうことなのか? と思い、その様子を想像してみることでしょう。


今すごく大事なことを言いました。どういうことなのかを「想像」する「間(ま)」を作ったのが重要なポイントです。


人間のすばらしい能力のひとつは想像力です。それがどんなトイレなのかを想像してもらい、そのイメージと実際の様子がはたして合っているのか確認したい欲求を刺激する。


まるでクイズの答え合わせをするかのようにワクワクドキドキしてタイトルをクリックしたくなることでしょう。


さぁ思い出してください。タイトル例1は冒頭からまるでクイズであるかのように説明しているにもかからわらず、どんなトイレなのかがよくわからないモヤモヤ感を解消したくてタイトルをクリック……。


一方のタイトル例2は、何ついてなのかがすぐにわかり、どんなトイレなのかを想像する機会と間(ま)が用意され、そのイメージと実際の様子が合っているかを確かめるためにワクワクしてクリック……。


○わかりにくいイライラを解消するため

○わかりやすくてその先を知りたいワクワク感を楽しむため


同じ話題を伝えるのに、タイトルひとつでこれほどの違いが生じます。


読者の目線で話題に合ったタイトルを作ることを心がければ、どちらのタイトルに近いものになるかは明らかですね。


タイトル例1のようになってしまう大きな要因は説明したい欲求が前面に出すぎているためです。


説明したい欲求をちょっと抑えるだけで、見違えるようにわかりやすく伝わるタイトルが作れる、というのが今回のお話でした。


ちなみに、タイトルでは「何がどうした」というのが基本形です。


そこでもう一度ふたつのタイトル例を見比べみてください。


<タイトル例1>
【壁が周囲54m 中にはガラス張りの女性用トイレ】


<タイトル例2>
【女性用トイレ 全面ガラス張り】
 

タイトル例1は「何が(トイレ)」だけで終わっています。一方のタイトル例2は「何が(トイレ)」が「どうした(全面ガラス張りだ)」という基本形にガッチリ当てはまっています。


「型破り」なんていうと、なんだかスゴいような気がしますが、それができるのも型(形)がしっかりできるからこそです。


タイトル作成では「型破り」が生かせる場合がありますが、まずはしっりと基本形(型)を身に付けなくてなりません。


難しいことはなにもありません。まずは基本のとおりにすること。そして説明したい欲求をコントロールすることです。


ということでトイレが上手なら、わかりやすく魅力的なタイトルは作れるのです。


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