【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】
ネットでタイトルを作成する際のテクニックを、ニュースのタイトル作成の例でご紹介しましょう。
(ビジネスでもプライベートでもその大部分で使えます)
ビジネスのヒントを探している人は、商品やサービスやブランディングなどに置き換えて読んでみてくださいね。
(見出しとタイトルは違います。タイトルをつくる方法をご紹介します)
■ その宝箱は開けてはいけない
〜チャーハンでわかる、おいしいタイトル作成法〜
バラエティ番組で京都の中華料理屋が紹介されていました。(以下、おおまかな内容です)
「焼飯 チャーハン付き」といったようなメニューがあるというのです。
注文したところ、同じ大きさの皿に同じぐらいの量の焼飯とチャーハンがテーブルに届きました。
どっちが焼飯でどっちがチャーハン? と尋ねると、どちらも同じとのこと。
メニューを考案した店主はチャーハンに強い思い入れがあるわけではないそうですが「チャーハン2つ」と注文するよりもメニューに「焼飯チャーハン付き」とあったほうが、なんだろう? と思って食べてみたくなるでしょ、ということらしいのです。
そして以前テレビで紹介されてますます話題になってお客さんが増え、なんと2号店を出したというのです。
どこの中華料理屋だって、たいていチャーハンはありますよね。だからこそほんのちょっとメニューを工夫するだけで注目度がアップして2号店を出すほど繁盛した。
つまり、気持ちひとつと少しの技術があれば道は大きく開けるのです。
気持ちとは、お客さんに楽しんでもらいたい、知ってもらいたい、おいしく食べてもらいたいというもの。
少しの技術とは、普通のチャーハンをその店で注文したいと思わせる、ことばの力を引き出す作業です。
これについて他の例でみてみましょう。いつものようにニュースのタイトル例を用います。
● タイトル例1
【○○が帰国 報道陣の質問に答えず】
○○は芸能人の名前だと思ってください。仮にAさんとします。芸能人のAさんが帰国したが何も話さなかったというのです。
何かコメントしたならそれなりのタイトルになるはずです。だからといってコメントがゼロだからそのまま「無い」と伝えるのは、わざわざ宝箱を開けて中が空っぽなのを見せてしまうようなものです。
コメントが無いのですから、そもそも伝えられるのはAさんが帰国したという事実だけです。ならば、わざわざ空っぽだと知らせるのではなく、帰国の事実だけで勝負してみましょう。
ただし、ほんのちょっとだけ歴史(物語)をプラスします。
●タイトル例2(リライト例)
【△△騒動の○○がNYから帰国】
なぜAさんが帰国しただけでニュースになったのか。Aさんが有名人だからという他にもきっと理由があるはずです。それが△△騒動です。
なにか騒動があった。そしていよいよその騒動の中心人物であるAさんが帰国したというのです。これが歴史(物語)です。
読者はAさんが何かコメントするのではないかと期待します。そのいちばんオイシイところは、帰国してさぁどうだったのか、という部分です。仮に推理小説でいうなら真犯人がいよいよ判明する箇所です。
真犯人の名前を本のタイトルでバラしている推理小説はまずないように、もっともオイシイところ(読者が知りたいと望むところ)はクリックした先の記事内容までしっかりとっておくのです。
さて、帰国の事実に絞って伝えつつその経緯にもそっと触れたのがタイトル例2です。わざわざ空っぽですよとは伝えずに、代わりに「△△騒動」とすることで、まだその騒動を知らない読者へもニュースを伝えているのです。
つまり、新たに騒動を知る読者と、既に騒動を知っている読者の両方に向けて作られたタイトルなのです。
既に騒動を知っている読者は、タイトルをクリックした先でAさんが何もコメントしなかったことを知っても遅くはありません。なぜなら芸能に関する話題は一般の読者にとって緊急性はまずないからです。
クリックしたということはその話題に少なからず興味があるわけです。クリックした先でAさんのコメントが無かったとしても、それは「コメントが無かった」という事実をニュースとして知ることができたわけですからそれはそれでいいのです。
ですから、タイトルでわざわざ「なにも無いよ、空っぽだよ」とアピールする必要はないのです。素直に話題の経緯を先端を示して(△△騒動)帰国の事実を伝えればいいのです。
似たような他の例もみてみましょう。
●タイトル例3
【ダル渡米…無言のまま飛行機へ】
ダルビッシュが渡米したという事実を伝えるタイトルですね。その際に彼は何もコメントしなかった。だからといってそのまま右から左に受け流すかのように文字通り「無言」とするのは、これも例えるならばとても大きくて豪華な宝箱を開けて中身が空っぽだとバラしてしまっているようなものです。
空っぽだからこそなんとかしようと試みる。その気持ちがほしいところですね。
とはいえトリッキーなことをする必要はありません。こういった空っぽの場合では、まずは素直に事実を伝えることに集中すればよいのです。
●タイトル例4(リライト例)
【ダルビッシュ渡米 23日にキャンプ参加】
素直にダルビッシュが渡米したことを伝え、さらに未来への希望と雰囲も伝えていますね。それが「23日にキャンプ参加」です。
そのキャンプに参加した先には何があるのか? それは彼のファンなら予想できますよね。
スポーツの話題は特殊です。わかる人だけがわければいいというようなタイトルであってもやむを得ない場合や、むしろそうしたほうがいい場合は多いものです。
大事なのは「何も無い(無言)」ではなく「何かある(キャンプ参加)」にフォーカスして未来への道筋を読者にイメージしてもらうこと。
もちろん「無言」であるからこそ当人の思いや気迫は伝わるというのもありますが、タイトル作成では「ないもの」よりも「あるもの」を取りあげるのが基本です。ニュースでは特に、日常ではない何かがある・あったのだからニュースになりえるのですから。
「あるもの」を素直に伝えたとしても、先にもお話したととりスポーツの話題は特殊ですから、ファンなら【ダルビッシュ渡米】と見ただけで「その際に何か語ったかもしれない」と自然に興味や期待を持ってくれます。
もっとシンプルに言えば、ダルビッシュのファンなら「ダル」の二文字を見ればほぼ間違いなくクリックします。ですからわざわざ先取りして「無言」だったとネタバレしてしまうことはないのです。
ちなみにタイトル例3【ダル渡米…無言のまま飛行機へ】には意味のダブりがあります。「渡米」と「飛行機」がそれです。
いまどき船で米国へ行くとは考えにくいですよね。渡米とくれば飛行機なわけです。
ですからどうしても「無言」を伝えたければ【ダル 無言で渡米】でスッキリしますね。
それから「のまま」も不要です。もしも「しゃべったまま飛行機へ」なら「のまま」が活きてきます(明石家さんまならありそうですネ)。でも無言のまま飛行機へ乗ったのならそれは普通です。つまり何もない部分を強調する必要はないのです。
チャーハンだって中華料理屋のメニューに載っているのはあたりまえといえばそれまでです。
だからといってそのままだったら特に何も無いわけです。「焼飯 チャーハン付き」といったようなメニューを作ったから話題になり、テレビ番組が取材に来てお客さんが増え、その店にしかないメニューとしてさらに注目されて2号店もできた。
中華料理屋の店長はことばの力を使って見事に商売を大きくしました。普通(なにもない)ところから、その店にしかない特別な人気メニューを作りだしたのです。
ニュースのタイトルを作る作業では、すでにニュースの素材や記事はあるわけです。既にあるものを更に魅力的なものとして広く伝える作業をするのであって、既に有るものを無いものにするのではありません。
例えるならば「チャーハンが売れようが売れまいがどうでもいい」と思っていると、とてもおいしいチャーハンがあるのにめったに注文されないメニューを作ってしまいます。
その話題の当事者や、その記事の読者の立場や気持ちになって「チャーハンをおいしくたべてほしい」と真剣に思えないようならば、まずは気持ちをつくる訓練からはじめなくてはなりません。
既にある、縦のものをそのまま横にして伝えがちなのが「見出し」です。
既にあるものを更に魅力的なものとして広く伝えるのが「タイトル」です。
もっと高度な技術が要るのはチャーハンを特別なメニューにする作業です。
せっかくの宝箱です。そのまま普通に置けば「中に何が入っているんだろう?」と思ってもらえるのに、わざわざ蓋を開けて中身が空っぽだとアピールする必要はありません。
宝箱を発見した読者が、開錠して中を見る楽しみをしっかりとっておきましょう。
美味しいチャーハンを食べて、おいしいタイトルをつくるヒントを学ぶ今回の【魅せる「タイトル力」をつける! タイトル作成講座】はここまで。
やっぱチャーハンってすごいですね!☆(←チャーハン好き)
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